ジュエリー・貴金属

ジュエリー貴金属用の接着剤は何が一番良いかを検証

こんにちは。
みなさんは自作でジュエリーを作ることはありますか?
例えばペンダントに宝石を接着したり、パーツを組み合わせて作った皮ひもネックレスやチェーンなどに通し、オリジナルのペンダントネックレスを作ってみたり。
金属のプレートに誕生石を埋め込んでみたり。

ここで疑問に思うのが「貴金属や宝石は何で接着するの?」ということ。

もちろんパーツで組み込むものなど、接着方法にはさまざまなパターンがありますが、今回は接着剤を使った方法に焦点を当ててみます。

貴金属の接着は接着剤で良いか

天然石の接着やネックレスの接着、丸カンの接着など、大きい物から小さい物まで、接着剤を使用した手段をとられることは珍しくありません。
もちろん職人がロウ付けや溶接によって見栄えも良く接着するのが最も理想ですが、私たち一般人からしたらそんな技術も設備も整っていない人がほとんどです。

今は環境にも人にも優しい接着剤が増え、気軽にハンドメイドジュエリーやハンドメイドクラフトが楽しめるようになりました。
私も接着剤をフル活用しますし、貴金属業界でも使用されています。

接着剤を貴金属に使用してはいけないの?

接着剤のほとんどは貴金属には使用しないでくださいって書いてあるわよね。

そうですね。
貴金属はお金に換えられる素材もあれば、天然石のように数百種類の分子レベルでできた素材もあります。そのパターンは数千以上でしょう。
それらのすべてに責任をもって一括して「使用しても良いですよ。」とは言えません。
せっかく大切な貴金属を接着しようとしたら、石がかすんでしまったり、金属部分が変色しやすくなったりすることも否定できません。
価値のあるものを保証していたらキリがないし、保証しても元に戻せません。

それだけさまざまな素材が存在し、多くの素材を一言で貴金属と呼ぶ以上、すべての貴金属に使えるかどうかは正直わからないというのが現実です。

貴金属業界では、接着剤の特製を理解し、使える素材に使える接着剤を使用しています。

だから、この記事では接着剤で良いとは言っていますが、自己責任において使用してほしいのです。

タイプ別接着剤の得意・不得意

接着剤は用途によってさまざまな特徴があります。
ホームセンターなどで見てみるとわかりますが、その種類はハンパではありません。
屋内の壁紙から屋外の金属接着まで幅広く。

屋外で使用できるものは強度が強い接着剤だから、何でも使えるように思えるけど…。

しかし、屋外の金属接着が可能だからと言って、プラスチックや合皮などは利用不可の接着剤も多く、すべての素材に適用できるものはほとんどありません。

貴金属には速乾性か遅乾性か

接着剤というと、いわゆる瞬間接着剤のようなすぐにくっつくもの (速乾性) と、12時間くらい経って徐々に固くなるもの (遅乾性) の2種類を思い浮かべます。

結論から言えば貴金属に使いやすいのは遅乾性の接着剤です。
簡単に言えば、合成樹脂 (エポキシ) タイプの接着剤がおすすめです。

速乾性のメリット

すぐ乾く。
頑丈に固定される。

速乾性のデメリット

化学変化を起こしやすい (貴金属が白くなるなど)。
修正がきかない。
きっちり固まってしまいあそびの柔軟性がなく、ポキっと壊れやすい。

遅乾性のメリット

時間がかかるので修正がきく。
拭き取れる。
化学変化を起こしにくいものが多い。
やや柔軟性があり、動きに耐性がある。

遅乾性のデメリット

完全接着まで時間がかかり、ずれてしまう可能性がある。

1液タイプと2液タイプ

1本で使い勝手の良い1液タイプの接着剤と、2本を混ぜ合わせて使う2液タイプがあります。
利用目的によってどちらでも使用できます。
しかし、合皮や重い石など特殊な組み合わせを必要とする場合は、2液タイプの方が強度が強いものが多いです。
少し面倒ではありますが、1液タイプを使っているけれどどうもうまくいかない、という方はぜひ2液タイプを使用してみてくださいね。

1液タイプにおすすめのジュエリー

クラフト
木製
皮革
プラスチックやスワロフスキー
ビーズ

2液タイプにおすすめのジュエリー

天然石
金属
合皮・ラバー

エポキシ樹脂系なら速乾性は必要ない

同じ遅乾性のエポキシ系接着剤の中でも、より速乾をうたう商品も多いです。中には数分で固くなってしまうものもあります。
こちらも使用用途によりけりですが、できれば速乾性は求めない方が理想です。

接着しにくい素材の組み合わせ

ラバーや合皮と金属

つるつるのラバーや合皮は接着剤を染み込ませる余地がなく、接着しにくい分野のトップクラスです。
特に金属と合皮の組み合わせをOKとしている接着剤は非常に少ないです。

仮に「金属とラバー・合皮の組み合わせが接着可能」となっている接着剤でも、実際は強度が非常に弱かったり、ネックレスの留め具のように動きに対して弱いものがほとんどです。

私はおおよそ20種類以上の接着剤を試してみましたが、その中で完全に接着が可能であったものは1つだけ。そして日常使う分には問題の無いレベルの接着剤も1~2種類にとどまっています。

ラバーや合皮の接着にはコツがいる

つるつるのラバーや合皮の表面に接着剤を塗っても、きれいさっぱりとはがれてしまいます。これは、単に接着剤が効かないだけでなく、表面に接着剤が絡み込まないことも考えられます。
そこで、ラバーや合皮を接着する簡単なコツがひとつだけあります。

表面に傷をつける

表面をカッターでシャカシャカと傷をつけたり、やすりで凹凸をつけることで、接着剤が絡みやすくなります。

では、実際に接着可能な接着剤を記載してみたいと思います。
もちろん紹介する接着剤の他にも接着可能なものがありますし、組み合わせによって使用できるものは増えます。

おすすめの接着剤2つ

こういった紹介ページにはさまざまな接着剤を紹介しているものが多いですが、種類がありすぎて混乱したり、結局はどれがいいの?と言った方も多いかと思います。
ここでは1液タイプと2液タイプのおすすめ2種類だけをご紹介しますね。

貴金属接着に重宝されるアラルダイト

ジュエリー貴金属用アラルダイト

ハンツマン アドバンスト マテリアルズの登録商標、スイス生まれのアラルダイトというブランドは貴金属の接着で重宝されています。
特に「アラルダイト 金属・ガラス・陶磁器用 AR-S30」は、接着までがかなり時間を要しますが、少ない量で完全に接着してくれる優れものです。

液タイプ:2液タイプ
値段  :800円~1500円

メリット

✔ 合皮やラバーと貴金属の接着も可能。
✔ 多くの素材に対して変色しない。
✔ 粘着性があり扱いやすい。
✔ かなりの強度。

デメリット

✔ 数時間の間ほとんど固まらない。
✔ 固まってしまうと修正不可能なくらい固定される。
✔ 大手メーカーでは販売中止となっている。

毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令によりアラルダイトは2018年に販売中止となっておりますが、AR-S30に関しては指定外とのことですが、入手は困難かと思われます。
参照:https://www.nichiban.co.jp/news/18-06/180627-araldite_info.pdf

貴金属接着に使い勝手の良いセメダイン SUPER X ゴールド

セメダインSUPERXG

値段もリーズナブルなのにさまざまな素材を接着することができる1液タイプのエース。
セメダインの「スーパーXゴールド クリア 超多用途・高機能」です。

こちらは革と金属、シルバーなども接着可能。ただし何をしても剥がすことができないほどの強度は持ち合わせていません。

さまざま試した結果、同じような用途タイプの他の接着剤よりも優れた接着を実現してくれています。

合皮やラバーと金属の組み合わせは、多少の接着なら可能。グイグイと力を加えてしまうと外れてしまうのでご注意。

液タイプ:1液タイプ
値段  :400円~600円前後

メリット

✔ 1液タイプで扱いが楽。
✔ どこでも売っている。
✔ 安い。
✔ 多用途。
✔ 同じようなタイプの中で強度も強い。
✔ はみ出した部分が固まっても指で剥がせる。
✔ 軟性に富んでる。

デメリット

✔ 強度は完全ではない。
✔ 固まったあと、接着剤がやや黄ばんでいる。

用途に合わせてうまく使い分けよう

ジュエリー貴金属の接着には、素材によって接着剤も変わります。

本当はもう少しご紹介しても良いのですが、今回ご紹介した2種類の接着剤は、多用途という面で優れているため、あえて2つだけご紹介しました。

みなさんにもお気に入りの接着剤があるかと思いますし、もっと使い勝手の良い優れた接着剤もあるかと思います。
ただ、もしハンドメイドジュエリーやクラフト用の接着剤で悩んだ際はこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
また反面、すべてにおいてこの記事で書かれていることが正しいわけではありません。
この記事を切り口に、より良いものと出逢えることを願います。

どうか良い作品ができますよう、みなさんを応援しています。
つたない内容の記事ですが、最後までありがとうございました。