ハワイの伝統お菓子スイーツ|クロロ(Kulolo)|ハワイのお土産

ハワイのお土産でマイナーながらも大好きな人も多いクロロ。
「何?クロロって」
「初耳!」
という方も多いのではないでしょうか?

ハワイには「クロロ(kulolo)」という伝統的なお菓子があります。
「クロロモイ」と言われることもあるようです。

クロロ(kulolo)とは

ハワイのお菓子スイーツクロロKulolo

ハワイでおなじみのタロイモをつぶして、ココナッツミルクと黒砂糖を混ぜこんだお菓子です。
蒸したパウンドケーキのようなものだったり、焼いてクッキーのような食感になったり。
タロイモもココナッツも黒砂糖も、ハワイの伝統的な農作物ですので、昔から身近に親しまれたお菓子なのです。

原材料

タロイモ・ココナッツミルク・黒砂糖 (ブラウンシュガー)を主としています。

作り方

1. タロイモをすりつぶします。
2. ココナッツミルクと黒砂糖を1:1くらいの割合で加えます。
3. 「蒸す」または「オーブンで焼く」などで熱します。
やったことはありませんがホットケーキの感覚でフライパンで作ってみることもできるかも。ただ、砂糖が多めに入るので焦げには注意。
また、レンジ調理という手もあります。
お芋なのでカラッと揚げて塩をまぶしたお菓子もアリ。
4. 冷やしてできあがり。

クロロってどんな味?

蒸した調理法ではもちもち食感で、ちょっぴりねっとりした甘さが特徴です。
この伝統的で自然の素材をそのまま使ったお菓子は、日本古来より伝わる和菓子に近い感覚です。「芋ようかん」や「ういろう」に似た感じ。

原材料を見るとなんとなく想像はつくのですが、問題はタロイモです。
これが好き嫌い分かれそうなところ。

クロロを売っているお店

ハワイのお菓子クロロkulolo

生菓子としての販売

ファーマーズマーケット、ABCストアにあるという話も聞きましたが、私の記憶ではなかなか見つけることができませんでした。
可能性としては、
ダウントゥアース (Down to Earth)
KCCファーマーズマーケット
あとはオアフ島の郊外やハワイ島、マウイ島、モロカイ島、カウアイ島などの商店。
※なかったらごめんなさい。

加工菓子としての販売

手作り生菓子としては売っていなくても、スーパーではチップスのように袋入りで売られている場合もあります。

上の写真はモロカイ島のスーパーにて購入したクロロのお菓子です。

クロロの歴史

ポリネシアン時代のタロイモ

クロロの原料「タロイモ(ハワイ語で「カロ」Kalo)」は、ハワイアン時代の人々にとっては神聖でありながらも身近なものでした。
タロからはいくつかのハワイならではの料理が生まれています。

  • 主食:ポイ(タロをすり潰した主食)
  • 料理:ラウラウ(肉や魚をタロの葉で包んで蒸した料理)
  • お菓子:クロロ

スイーツとしての利用

もともと主食やディナーなどで使われていたタロイモですが、王朝などでの宴に披露されるスイーツとしても利用されることになりました。
当時は今のような甘さではなく、ごく自然なほのかな甘味だったと思われます。

ハワイアン王朝時代の作り方

神聖とされる葉「ティーリーフ (Ti Leaf)」で包んだクロロの原料を、土や石で作られた当時のオーブンで蒸すことが多かったようです。
その頃はいまのように高い温度調節もできない時代でしたから、かなりの時間を要したと予想されます。

このオーブンは地中調理「イム (Imu)」と呼ばれます。
地面に大きな穴を掘って、石やスモーク用の木や草とともに食材を入れます。
そして大きなバナナの葉で穴をふさぎ蒸し焼きにするのです。

じっくり何時間もかけることで、ふんわりとした焼き上がりになります。

いまハワイで有名なフリフリチキンのようなイメージとはまたかなり違っているのが興味深いですね。

プランテーション時代

19世紀以降、サトウキビ畑が各地に広がるプランテーション時代がやってきます。
ハワイの移民の文化の始まりです。
このころから砂糖が広く流通するようになりました。
こうしてクロロにも黒砂糖が使われ、現代人も納得の甘味菓子として確立しました。

2000年代

現在は保存のきく加工菓子も手軽に手に入る時代です。
少しだけ観光客に認知されたら、その味に興味を持ってもらえたら、もっとバリエーション豊かなクロロ料理が誕生するかもしれませんね。

キャッチーではないけれど深いお土産

マカデミアンナッツチョコやパイナップルのクッキー、パンケーキなど、ハワイのお土産は数々あります。
みんなにあげたら喜ばれるのはもちろんそれらですが、クロロは日本でいうかりんとうとか、芋ようかんとか、昔から親しまれているカテゴリーです。
決して「おおお!」と喜ばれるものかといえば正直・・ですが、このクロロに限ってはハワイの文化を語れる貴重なお菓子なのです。

そこで、毎回のハワイのお土産に困ったとき、このクロロを選択してみても良いのではないでしょうか。もちろん相手はハワイ通であればあるほどうならせることができるかも。

たいして食べたこともなく、その伝統に精通してもいない私などが、いまこうしてクロロを紹介していることにやや引け目を感じてはいますが、
昔ながらの製法よりも、まずは認知してもらうことを目的としています。
こんなハワイローカルのお菓子があるよ。
ハワイのお菓子はパイナップル型のクッキーやナッツ入りのチョコだけではないんだよ。
決して万人にうけるわけではないけれど、1人でもハワイのローカルスイーツの一つとして存在を知ってもらえたら、
そしてそこからより深い製法、知識、伝統に興味をもってもらえたら嬉しいです。

クロロは、ただのお菓子ではなく、ハワイ文化そのものを味わえるスイーツとも言えるんですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事について

記事更新日:2025年4月21日。情報は2025年4月時点。
記事公開日:2025年4月21日。
内容は初心者にわかりやすくかみ砕いて説明しています。興味のきっかけとなれば幸いです。