ハワイのフラダンス (Hula) とは

フラダンスは日本人にも馴染みのあるダンスですよね。
あの柔らかい雰囲気にちょっとやってみようかな?と思う方も増えているようです。
日本ではフラダンスに触れている人(ダンサーや団体所属、趣味などでフラを踊る人)がなんと2015年で100万人を越えているともいわれています。
実質的な統計ではなく、あくまで推計となりますが、そうなるとハワイ州の人口並みの規模になるんですよね。

現在ではコロナ環境や円安環境下でやや下火になってはいるかもしれませんが、いったん休憩している人や潜在的なファンは多いと思われます。

私個人の間隔としては、日本の場合、ブームによりフラダンス人口は大きく変わるのではないでしょうか。
例えば映画「フラガール」、ディズニーの「スティッチイベント」など。

このフラダンス。知れば知るほど奥が深く、深すぎるほどなので、その世界にはまってしまう魅力があるものです。

では、フラダンスを始めてみたいけれど、どんな感じなのかな?という方に向けてフラダンスのことを紹介してみますね。

記事で使われることば

フラ

フラとフラダンスは同じ意味で使用しています。

フラ・フラダンスとは

フラダンスとは、ハワイではフラ(Hula)と呼ばれ、ハワイの伝統的な踊りをいいます。
文字や歌詞を使わず、音楽や歌(チャント)に合わせて、身体全体の動きで気持ちや物語、メッセージを表現します。
特に伝統的なフラでは、自然・神様・生活や愛など、たくさんのメッセージが込められていますし、相手とのやりとりで踊られることもあります。

フラダンスの語源

私個人の感想ですが、日本ではただの「フラ」という言葉を聞いて、パっと何のことか想像ができる方は思ったほど多くないという印象があります。

しかし「フラダンス」と聞けばそれはもう日本ではメジャーな言葉ですよね。
多くの方が「あ!フラダンスね!わかるわかる!」とうなずくのでは?

「フラ (Hula)」という言葉はハワイ語で「踊り」「舞踊」のようなものを言います。
Hula (フラ)もDance (ダンス)もどちらも踊りという意味ですから、韓国で言うチゲ鍋と同じ感じですね。
日本では一般的にフラダンスと呼びますので、多くの人が分かりやすいように当サイトではフラダンスという単語をメインに使わせていただいています。

しかしハワイ現地では一般的にフラダンスのことをフラ (Hula)と言います。このことだけ頭の片隅に置いてくださればと思います。

フラダンスの踊りの特徴と意味

フラダンスと言ってみなさんが想像するのはどのようなものでしょうか?
ほわ~んとした陽気なハワイアン音楽に乗せて女性が華やかな衣装を身にまとい、ゆっくりと踊っているイメージでしょうか。

フラは、意味のある言葉をのせて身体で伝えるものだというイメージでとらえてみてください。かつてハワイアンの伝承や文化を禁止された時代に、文字をもたない伝承方法としてこのフラが広まりました。
当時は今のようにその土地誰もが共通認識できる文字というのは使われていないようでした。


そこで音楽、ことば、歌など全てをフラとして古きハワイで語り継がれたアロハの精神に基づいて踊ります。
基本的に内容は1番から3番まであり、歌をそれぞれ2回ずつ繰り返すというのが一般的です。
フラに大切なのは外見や技術だけではなくその「心」です。
これはハワイアン王朝時代からずっと大切にされてきた精神です。

フラダンスは女性だけ?男性のフラもあるの?

フラダンスのイメージでは女性がメインとなりますが、男性のフラも存在します。
ハワイに数多くあるフライベントを覗くと、男性も女性も子どももフラを演じています。
男性のフラは、素早い動きや力強い動きも多い印象です。

フラダンスで使われる道具やモノ

フラダンスでよく目にする道具や物をご紹介しますね。

・レイ
・ハク
・ククイ
・パウスカート
・ウリウリ
・カラアウ
・プイリ
・ウクレレ
・イプ

代表的なのが花を連ねた首飾り「レイ (Lei)」。
それからウエディングなどでよく見る花冠の「ハク (Haku)」。
首にぶら下げている黒い数珠のようなアクセサリー「ククイ」など。
これらにはそれぞれ実に細かい意味があります。ご想像通り花によっても意味が変わり、色によってもメッセージが変わります。

大切なのはアロハの心

そして最後に、フラダンスのクム (先生) やフラの歴史に詳しい方とお話したときのことをお伝えします。


ハワイではフラダンスは子どもから大人まで気軽に踊る伝統舞踊です。
それゆえ毎日どこかしらでさまざまな人たちがフラダンスを披露されています。
うまい人もいれば、始めたばかりの人もいます。健康のために地元サークルで踊っている人もいるかもしれません。

とある日、日本の方が
「ハワイの人のフラダンス下手だから見たくない。日本人の方がずっとうまいよ。」
「ハワイのフラダンスってバラバラじゃない?」

と言っている人の話を聞きました。

「そりゃそうだ。ハワイでは盆踊りのような感覚で楽しんで踊るけど、日本からハワイに来る人は選ばれしダンサーだからね。」というお話。

こんな話題を聞いて共感する面もあれば、いやちょっと待って、という面もあります。

わりと共通して言えるのは、ハワイのダンサーたちは子どもから大人まで「心も目も笑顔」が多いですね。
アロハの心が伝わってきて、気持ちよく楽しんでいる人が多いことに気づきました。
この見ている人までも心が穏やかになる心の伝達というか、「あくまで披露する場面なので」楽しむこと、楽しませること、アロハの精神が伝わるフラダンスこそ大切なのではないか、というお話です。


※ちなみにメリーモナークなど大きなコンペティションなどはわりと話が変わってきます。

このお話は実際に目の前で聞いた話なのですが、これを読んでいるみなさんはどう思いましたか?
技術だけにフォーカスしてしまうと、自身・個人に固執してしまったり、人と比較することでストレスになったり・・・。
これはチームで行うスポーツや音楽にも共通することなのですが、今一度それぞれの個性や心が良い方向に表現され、心の底からフラを楽しめるようになればと思います。
日々の感謝の気持ち
見ている人への言葉
同じダンサーと一緒に踊る喜び
実にハワイらしいポジティブな心にあふれ、見ている人たちから歓声や拍手に包まれます。
なんなら予定外に飛び入りで踊る子どもがいても一緒に楽しんでしまう精神。
それをおおらかに見守るハワイの人々。


「日本には日本のフラがあり、ハワイにはハワイのフラがある。それはそれぞれ違ってこそ良い。それぞれを尊重してみんなでフラを楽しみましょう。」
これがハワイでフラに携わるハワイの人の言葉でした。

フラダンスは難しい

それはそうと、フラダンスをなんとなく見よう見まねすることは誰にでもできるかと思いますが、実はしっかり踊るとなるとかなりの技術と体力が必要です。

身体のさまざまな部分が異なる動きをリズムに合わせて演じる必要があるため、まずはそれに慣れるだけでも大変。
リズムに慣れてきたら身体の表現に意識が向かいます。フラはことばです。そのことばを伝えるには感情などの気持ちが入らなくてはなりません。

フラダンスの音楽

フラには音楽がつきものですよね。そのフラの音楽はまるでミュージカルかオペラの舞台なのか、その物語を語る上でも重要なポジションを持っています。

もちろんその音楽は陽気なほわ~んとした音楽だけでなく、パーカッションのリズムだけの場合もあれば、激しいビートに乗せることもあります。

祈り

ハワイのフラダンスの祈り

フラを踊る前は必ず祈りを捧げます。
祈りというと少し重いですが、これは挨拶のようなイメージです。
例えば日本の国技である相撲でも土俵に上がる前に礼を重んじますよね。

このように、書く人が変わればフラダンスに対するスタンスや気持ちが変わります。
実に興味深く、奥が深いものだと思います。
途中、むむむと感じた部分もあったかと思います。
それが良いのです。と言えるほどアロハの心が広がったフラダンスがいつまでも続くことを願っています。
そしてフラダンスに携わるダンサーさんやミュージシャン、フラ用品を作り人たち、イベントの催行者のみなさん、すべての人たちを応援しています。

失礼ながら長々と語らせていただきました。ありがとうございました。

記事について

記事更新日:2025年4月10日。情報は2025年2月時点。
記事公開日:2025年1月21日。
内容は初心者にわかりやすくかみ砕いて説明しています。興味のきっかけとなれば幸いです。