こんにちは。
「ハワイでロミロミを学び、日本でサロンを開こうと思います。何か注意点はありますか?」
もちろんこういった質問には注意点がたくさんあるのですが、私が「え?」と思った注意点を書き記してみようと思います。
マッサージという表記が使えない問題
結論から書きますと、日本でロミロミのみのサービスで開業するにあたり、店名やメニュー、広告に「マッサージ」という言葉は法的に使えません。
使ってしまうと法律に背くと言うことになります。
これは致命的です。
ハワイでは資格の名前も「Licensed Massage Therapist (ライセンスド マッサージ セラピスト)」なのに。
なぜマッサージという言葉が使えないのか
簡単に言うと、日本にもマッサージ資格があり、その対象はあん摩マッサージ指圧師のみに適用されます。
日本にも伝統的な療法があり、国家資格として認められ、法律でも「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」通称「あはき法」というものが存在するのですね。
つまり日本における「マッサージ」とは「あん摩マッサージ指圧師」が行う施術のみを指します。
そのマッサージとは一般的に、「もみほぐし」が含まれます。
しかし、ロミロミなどをはじめ、あん摩マッサージ指圧以外のもみほぐしや指圧は、マッサージではありません。
世界を知ると、なんだか変な話ではありますね。
もちろんマッサージが使えないのは営業しているものの広告としての表記におけるものがメインの話ですので、一般の人が個人間で「マッサージしてあげるよ。」と言っても違法ではありません。
ロミロミとあん摩マッサージ指圧の違い
あん摩マッサージ指圧とはざっくり
・筋肉をさすったり
・もんだり
・たたいたり
・押したり
する手技療法に限った医療的施術とのこと。
ハワイでロミロミ筋肉をさすったり、もんだり、たたいたり、押したりする手技療法に限った医療的施術ですし、医療の勉強もします。指圧も学びます。
言葉にすると内容は同じでも、開業される方は日本語のマッサージは=あん摩マッサージ指圧と思った方が良いかもしれませんね。
マッサージという言葉は和製英語であり、英語のMassageではありませんし、まったく別の単語です。(と思っていただくとわかりやすいです。)
でも逆に考えると、日本で国家資格を持ったあん摩マッサージ指圧師は、ハワイでは開業できません。
同じように英語で試験を受け、合格する必要があります。
つまり、日本でいうマッサージもハワイのMassageもそれだけ文化に根付いた素晴らしいものといえるのです。
では、どう表記したら良いのでしょうか?
その答えは今のところ「リラクゼーション」や「トリートメント」として通っているようです。
ここではリラクゼーションで話を進めます。
日本におけるマッサージとリラクゼーションの違い
※以下、すべて日本の場合です。
1. 国家資格
マッサージ・・・「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格があります。
リラクゼーション・・・国家資格はありません。または不要です。
2. 資格を取るための行程が違う
マッサージ・・・国が指定する養成学校があり、そこで3年以上学びます。
リラクゼーション・・・特に決められた学校で学ぶ義務はありません。
3. 保険適用の違い
マッサージ・・・ある条件のもとでは健康保険が適用されます。医療費控除も行えます。
リラクゼーション・・・健康保険が適用されることはありません。
4. 施術内容の違い
マッサージ・・・ある症状の改善を目的とした医療的施術です。
リラクゼーション・・・癒やしやリラックスなどから疲労回復を期待する施術です。
こうやって書いていくと、マッサージはますますハワイでいうロミロミですね。一緒にしてはいけませんが、それだけ重要視されている知識や技術ということです。
リラクゼーション・トリートメントとは
リラクゼーションとは
では美容系の意味でのリラクゼーションって何?ということですが、これが私にはさっぱりわかりませんでした。
英語で「Relaxation」。
意味は「くつろぎ」という雰囲気の意味を持つ名詞。
発音はカタカナで書くとリラクゼーションではなく「リラックセーション」。
このリラクゼーションという言葉も日本ならではの意味を持ちます。
主に「癒し」「リラックス」などの意味を持ちつつ、その効果を目指したヘッドスパや国家資格外のマッサージや指圧などの皮膚接触のサービス分野・カテゴリーとして知られています。
…と書いておきながら、最近初めて知りました。
トリートメントとは
トリートメントは英語で「Treatment」。
髪の毛のトリートメントなどで知られていますが、英語では医療機関で治療や処置の意味でもこの言葉が使われます。
医療機関で正式に使われる言葉なのに、これまでの定義ではいろいろ矛盾していますよね。
日本語では「ケアする (いたわる・保護する・整える?)」や「保つ」なんていう言葉の意味が強いでしょうか。
いずれにしてもこのトリートメントも、サービス分野のカテゴリー名で目にするようになりました。
リラクゼーションやトリートメントの種類
リラクゼーションやトリートメントにはさまざまな種類があります。
✔ 整体
✔ カイロプラクティック
✔ リフレクソロジー
✔ ヘッドスパ
✔ ハンドマッサージ (てもみんなど)
✔ 酸素カプセル
✔ 耳つぼマッサージ
✔ タイ式マッサージ
私は整体やカイロプラクティックという分野は別次元の世界かと思っていましたが、このくくりになってしまうのですね。整体師は民間資格ということで、国家資格とは一線を置かれています。
タイ式マッサージはロミロミマッサージと同じように、その国古来のマッサージと言えるでしょうか。
ロミロミサロンにはマッサージと表記しない
最後にもう一度結論です。
ハワイのロミロミマッサージサロンを開きたい、もしくはすでに営業している場合、国家資格である「あん摩マッサージ」を取得していない場合は、その店舗名やメニュー、広告の表記、ホームページの表記などに「マッサージ」を使用しない。
ということになります。
「当たり前じゃない!」と言われてしまうかもしれませんし、「厳密にはこうだよ!」という部分もあるかと思います。
しかし、この膨大な情報社会では、初めてのことや基本的なことでも見過ごしてしまうこともあります。もしこれからやりたいと思っている方にほんのささやかなかけらでも考えるきっかけとなれたらと思い、この記事を書かせていただきました。
「ほんとなの?」
「いやそれは違うでしょ。」
途中おおげさな表現やたとえ話を付けましたが、その分ちょっとだけ頭の片隅に触れておくだけでも、これからの運営のために「改めて勉強してみるきっかけ」、「調べてみるきっかけ」、そして「この分野のより良い世界について考えるきっかけ」となればうれしいです。
この記事を見ているすべてのみなさんが、より気持ちよくより豊かになれるように願っています。
※ハワイアンパルケではロミロミを説明するうえで必要であると判断し、マッサージという言葉を多用しております。ご理解ください。
※内容は細かい点を省いています。ぜひこの機会にお調べいただければ幸いです。