アロハポーズのシャカサイン(Shaka)の意味と起源

突然ですが、ハワイに来たらみなさんどんな挨拶を想像しますか?

「私はアロハ~!!を思い浮かべる。」

そうですよね。では、どんな感じでアロハを言っているでしょうか。

「親指と小指を立てて、手の甲を向こうに向けるしぐさかな。これ、私勝手にアロハポーズとか言ってたことがあったけど、本当はシャカサインって言うのね。」

今回はその手のポーズ (アロハポーズ)についてご紹介します。

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アロハのポーズ「シャカサイン (Shaka)」とは

すごくかんたんなイメージでいうと、ハワイの挨拶のポーズです。

シャカ (Shaka)と聞いて、「あ!アロハのポーズね!」と思い浮かべる人はそんなに多くはないのではないでしょうか。
私は日本の歴史が好きなので、はじめてシャカと聞いた時は「釈迦」としか思い浮かびませんでした。
しかもハワイではシャカを精神的に大切な意味として説明するため、日本とハワイとの関係性もあり、余計に仏教の釈迦だと完全に勘違いしてしまっていました。

ハワイではシャカという手のしぐさによって、さまざまな意味や挨拶を表現しています。

シャカサインのやり方

親指と小指を立て、人差し指、中指、薬指の3本を折り曲げます。
つまり、こぶしを握って親指と小指をピンと伸ばした状態です。

ハワイのアロハポーズシャカサイン

手の甲を向けても、手のひらを向けてもどちらもOKです。

ハングルーススタイル

ハワイのアロハポーズシャカサイン


手のひらを向けるスタイルは「ハングルース (Hang Loose)」とも呼ばれています。
ローカルを見ていると手をそのままちょこっと前に出してお礼をしている人も多いです。

控えめな私はこっちをさりげなくするのが好き。


手を縦にするか横にするか、振るか振らないかも特に決まりはありません。
ただし、縦と横には少しだけ深い意味合いがありますので後程説明しますね。

形よりも心が大事。アロハの心さえあれば、シャカサインは自然と馴染んでいきます。

シャカで示す意味・表現

シャカサインで交わすときの意味合いや表現、挨拶はさまざまです。代表的なものに、

  1. ありがとう!
  2. いいね!
  3. やったね!
  4. がんばれ!
  5. バイバイ!
  6. よろしくね!

などがあります。親しみやすさがこもった挨拶ですよね。

シャカの語源

実はシャカという言葉の語源は、ハワイ語ではありません。


1960年代に中古車屋さんのテレビCMで最後に
「シャカ ブラー (Shaka Brother)」
と言いながらこのポーズをしたことがはじまりともいわれています。
ブラーとは親しい人に向けるフランクな言葉で、ブラザーのこと。
また、1976年には、フランクホノルル市長が3期目の選挙戦の際、このシャカサインをメインシンボルとして使用しました。
その結果、通算6期も当選したという縁起の良い話も含みます。

シャカの起源と伝説

アロハポーズアロハサイン

シャカサインの起源はいくつかの言い伝えがありますので、代表的なものを紹介します。

1900年代
ハワイプランテーション時代
日本明治産業革命時代

ハワイプランテーションビレッジ

時は1900年代初頭のお話。
日本では明治期になり工業文化が急速に進んでいった時代です。
ハワイのカマアイナ(ハワイのローカル人)たちの間ではこのシャカサインは使われていませんでした。
ハワイではサトウキビ産業が栄えている頃のお話です。

カフク (Kahuku)の砂糖精製工場で働いていたハマナ カリリさんという方がいました。彼は圧搾の担当で、毎日ローラーでサトウキビの汁を絞っていました。

「うわ!!痛い!!」


ある日、不運にもカリヒさんはローラーに右手を挟まれてしまい人差し指と中指、薬指の3本の指をつぶされてしまったのです。これでこの工場ではもう働けません。
しかし上司は彼を見捨てたりはしませんでした。

事故の後にカリリさんはサンセットビーチとカアアヴァの間 (現在のカネオヘ~カイルア辺りの東海岸ウインドワード)を走るサトウキビ列車の保安要員に異動することになりました。

ハワイプランテーション時代の列車

保安要員と言っても警察官のような仕事ではありません。
カフク駅に到着する時や出発する時は汽車はゆっくりと進みます。当時、汽車が通ると子どもたちが面白がって飛び乗るという遊びを覚えてしまい、その子供たちが遊ぶのを止める役目でした。カリヒは子どものいたずら防止の監視員として汽車を見守ることになったのです。

カリリさんはいたずらっ子たちが近づくと、すぐさま大声と手をあげて子どもたちのいたずらを止めさせていました。
子どもたちには彼の手が親指と小指しか見えなかったので、いつも見るこの2本を立てるしぐさを真似るようになったのです。子どもらしいですよね。

そして子どもたちはいたずらをしているときに「カリリがいないからOKだ!」「カリリが来たぞ!」とは声をあげず、合図としてこのポーズをとるようになったと言われています。

これはある一説のお話です。
他にも説はあるのですが、このような説をひとつ知っておくだけでもちょっとうれしくなります。

シャカサインを使用してみよう

私の経験上、ローカルはさまざまなところでシャカサインを使用していますが、言葉を発しなくても伝わるアロハの心ですので日本人もうまく利用したいですよね。
仲間内でアロハ~と手をフリフリするのもOKですが、せっかくですのでローカルとの関わりでもぜひ使ってみてくださいね。

  1. 横断歩道で止まってくれた車に
  2. ホテルでお世話になったスタッフやツアーガイドさんとのお別れの時に
  3. バスやトロリーの運転手に「センキュー (Thank you)」の言葉ともに

手の向きの意味の違い

あまり意識はしなくてよいのですが、人によりけりで、
手の甲を向けて縦にすると神の宿る意味合いが強くなり、深い気持ちを意識する人もいるようです。
でもあまり気にしないで。

ハワイ州観光局公式キャラクターShakaちゃん

シャカちゃん

このシャカポーズがそのままハワイ州観光局のマスコットになりました。

いろんな場面での写真があるのですが、公式に掲載許可を取っていないので、あるイベントのさりげないモニター画面で。

「シャカ」
それだけハワイにとって深い意味を持つサインだということが伺えますね。

ハワイ観光局公式サイトはこちら

記事更新日:2025年5月29日。
情報は2025年5月時点。
記事公開日:2019年4月16日。
内容はハワイ歴史解説ガイドの監修を得ています。
歴史、説、時代は見る人や研究によって解釈が変わることも多いです。そんな諸説のひとつの読み物として見ていただければ嬉しいです。
この記事が1人でもハワイ歴史への興味のきっかけになれば、そしてそこから日本の歴史の興味とのつなぎになればと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。