ハワイの観光スポット

ハワイアン王朝時代の決戦場ヌウアヌパリ展望台 (Nu’uanu Pali Lookout)

ヌウアヌパリ展望台からサンドバーを見渡す

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ハワイツアーの定番プログラムの理由

ヌウアヌパリ展望台のサインボード

ハワイツアーで必ずと行って良いほど組み込まれている観光スポット「ヌウアヌ パリ」展望台をご存知でしょうか。ヌアヌ パリとも呼ばれるこの展望台、ここなら何度も行ったことあるよという方も多いのではないでしょうか?

しかしながら展望台とは言われているのに期待したほどの眺望でもなく、「海も山も想像していたものと違うじゃない。」という感想を持たれる方も多いことかと思います。
そういう私がその一人で、いつも天気が微妙で風がとにかく強いから、ほぉ~という感じで景色を見ては数分でバスに戻るというパターン。

あまり大きな声じゃ言えないけれど、私はひそかに思っていました。
「ハワイのオアフ島ならもっとスカッとした青空のもとハワイらしい景色が見られるスポットはいっぱいあるのに何でここは高確率でツアーに入っているの?」

しかし、これらの疑問にはすべて理由がありました。
そしてこのヌウアヌパリは、ハワイを観光するうえで外せないスポットだったのです。

ヌウアヌパリ展望台の3つの見どころ

ワイキキから車で約20~30分ほど、パリハイウェイの途中にある展望台です。
英語ではLOOK OUT (ルックアウト)となります。

このヌウアヌパリには3つの見どころがあります。
その見どころに1つの伝説と1つの理由をつけると、なぜここがこんなにもツアープログラムに組み込まれているかがわかります。

にわとり (鶏)がたくさん

駐車場を降りるとすぐに気づくのがにわとりの多さ。

ヌウアヌパリ展望台のニワトリ

そう、ここはにわとりマニアにはたまらないにわとりスポットです。
このにわとりさんたち、大人の事情で定期的に数が減らされてしまっているとのことで、行った時にはあまりいませんでしたよ、なんて方もいるかもしれませんね。

けれどにわとりはたくましくご家族親類で増え続けております。

ヌウアヌパリ展望台のニワトリ

ハワイににわとりが多い理由

ハワイにはオアフ島以外にもにわとりの名所があります。
それがカウアイ島。花の香るガーデンアイランド「カウアイ島」はチキンアイランドと言っても良いくらい野生のにわとりが闊歩しています。

そもそもにわとりは家畜でしたが、何年に1度もないハリケーンの直撃によってにわとり小屋が崩壊、彼らは島中を渡り歩いて野生化してしまったのですね。

オアフ島に関してはカイルアにもにわとりが多いですが、何かしらの事由が加わって自然に増えてしまったと言った方が良いかもしれません。

それに加えハワイ諸島には熊や蛇などの大きな肉食動物がいません。ですから飛ぶことをあまりしないにわとりにとっても楽園なのですね。

ヌウアヌパリはさらにこの自然の中でありながら観光地になっていますので、観光客からの恩恵 (ごはん)を受けることが多かったのか、居心地が良くなってしまったんでしょうね~。

それからヌウアヌパリのサインボード手前で周囲を見回すとよく見かけるのがこの猫さん。

ヌウアヌパリ展望台にいつもいるネコ

私が見かけるときはいつもこの木の上、お気に入りなんですね。
どうやら飼い主がいるとのことですがホントかな。

 

強風の名所

2つめの見どころは強風の谷。

ヌウアヌパ展望台の見晴台

コオラウ山脈のヌウアヌバレーの断崖の真上にあるこの場所は、2つの切り開かれたような角の形をした山の間に位置しているため、常に強風が吹き抜けるスポットになっています。その高さ数百メートルの断崖。ハワイ諸島にはこのような場所がたくさんあります。

その名前の由来のもと、ハワイ語で「パリ (Pali)」は「崖」。「ヌウアヌ (Nu’uanu)」は「涼しい高台」という意味になります。

いつも風が強くて大変…なんていうイメージがが一変。強いときは風速50mにもなる風の強さがこの場所の醍醐味なのです。台風が風速30mほど、JR東日本が風速25mで運行制限することを考えるとものすごい強風ですよね。
「今日は風が弱くていいね。」という日よりも吹き上げる強風を感じられる日の方が面白いのです。

その風の強さはハワイでは有名で、ここから飛び降りて自殺を図った人が舞い上がる強風で戻ってきたという伝説があるほど。信じるか信じないかはあなた次第ですが…。

天気が変わりやすい

また、コウラウ山脈の地形により、雨が降りやすい場所としても有名です。
その雨の恵みをもって南国ならではの大きく育った植物を見ることができます。ここでは大木のようなポトスがいたるところで見られますよ。

しかし天気が少々悪くてもほんのちょっとの時間で景色が変わります。

ヌウアヌパリからカネオヘ方面

少し暗いなぁというときは、ちょっとだけ待ってみると突然明るくなることもありますよ。

 

ハワイアン王朝時代オアフ島の決戦場

昔むかし、それは1795年のこと。日本では江戸時代で、葛飾北斎がまだ世に名前が出ていない頃のお話。

カメハメハ王がハワイ島から次々とハワイ諸島を制圧してきました。マウイ島、モロカイ島、ラナイ島の3島を征服していたカメハメハがついにオアフ島に上陸したのです。
このオアフ島の戦士とカメハメハ率いる戦士の最後の戦場がここヌウアヌパリだったのです。日本で言えばいわば関ヶ原の合戦。
この戦いに勝利してカメハメハはオアフ島をおさめます。

さぁ、オアフ島の兵士たち (カラニクプレ大首長軍)がこの断崖絶壁に追い詰められます。そこで迫られる選択が、
「カメハメハ軍に捕らえられるか、身を投じるか」
やはりオアフ島に忠誠を持った多くの兵士たちがここから身を投じ、約300mもの崖下へ落ちたと言われています。それを証明するのが真下に道路が走っているのですが、その道路の建設時に約800もの骨が見つかったのです。

そう、なぜここがツアーに組み込まれているかというと、ただ気持ちの良い眺めが見られるだけでなく、ハワイにとってオアフ島にとってとても意味のある場所だからなのですね。

あなたならこの断崖絶壁の目の前に立ってどうしますか?
オアフ島の戦士になり切って考えてみるのも興味深いですよね。

 

パリハイウェイの怪談と噂

ヌウアヌパリはコウラウ山脈という急にせりあがった地形の山の切り込みのような場所にあります。この真下には実は道路が貫通しているのですが、その名もパリハイウェイ (Pali Hwy)。このヌウアヌパリ展望台に来るときには必ずこの道路から入り、この道路を抜けていくかと思われます。

実はそのパリハイウェイは新しく建設された道路で、かつては旧道が使われていました。旧同はうねうねと山を抜ける道路で、通称「オールドパリロード」といいます。
Googleで見てみると当時のオールドパリロードと現在の住宅地を貫いているオールドパリロードではずいぶんと違って見えますが、「旧道として使われていた」ということからなんとなくルートは想像できますでしょうか?

もうなんとなく予想ができる方でちょっと怖いのが苦手な方はこの部分は読み飛ばしてしまっても良いでしょう。

この地は多くの戦士が悔しくも自ら命を落としていった場所です。
夜にこの地の付近を通るオールドパリロードを訪れると笛の音や叫び声が聞こえるという噂があります。
またオアフ島で有名な話が「夜に豚肉を持って通ると不吉なことが起こる」という伝説です。その昔、豚肉はたいそうなぜいたくな食べ物とされていて、特別な時に男性しか食べることが許されないほど貴重なものだったそうです。

そのため、夜に豚肉を持ってこの地を訪れると、かつてのハワイアンの戦士たちの霊が寄ってくるという噂が絶えません。

え~そんなの都市伝説か迷信でしょう、と思うかもしれませんが、豚肉を買って車に積み、家に帰った人が事故に遭ったり車が故障したりという話があるようです。

でもご安心を。今は新しいパリハイウェイが開通し、オールドパリロードを通ることはありません。それでも心配な方はドライブする時は夜に豚肉を持たないか、帰りはリケリケハイウェイを通ってワイキキに帰りましょう。

オールドパリロードは隠れた絶景ロード

実はこのオールドパリロードはその歴史や遺産としても貴重な存在となり、ヒストリックロードとしても隠れた人気があり、トレッキングとして行ったことがある人もいるのではないでしょうか?

立ち寄るのに絶妙な位置

さて、このヌウアヌパリの魅力と意味を知っていただいた後に、最後にダメ押しのポイントがあります。
それはこの「どこかに向かう途中という絶妙な位置」。
ツアーのメインどころへ向かう途中にあるし、さほど時間も取られない、そして見どころ一杯で歴史ありという外しようがない観光スポットなのです。

カイルアやサンドバーへ向かう人には、「ここから見えるあの辺に行きますよ」とか、帰りの人たちには「あの辺にいたんですよ」なんて言うだけでも「へぇ~」をもらえますよね。

ウインドワードが見渡せる絶景

ここから見える景色の先は「オアフ島東海岸」現地ではいわゆるウインドワード (Wind ward)と呼んでいます。西海岸をリワードと呼びます。

まずはカネオヘ方面。

ヌウアヌパリからカネオヘ方面を見渡す

奥に見えるのはカネオヘサンドバーです。干潮になると海の中に砂浜が出てくるというスポットです。

日によってここからの見え方も違うのでぜひ目を凝らしてみてみてくださいね!
それにしてもきれい。

次は真ん中方面。こちらはちょうどH3フリーウェイの向こう側にアメリカ軍の基地があります。途中にはコンクリート会社「HC&D Hawaii」があります。

カネオヘベースキャンプ

そして右側がカイルア方面。こんなに曇っていても海の色がきれいですね。

ヌウアヌパリからカイルア方面

 

ヌウアヌパリの行き方

ヌウアヌパリ展望台はワイキキからH1フリーウェイ→パリハイウェイという行き方で行くことができます。
H1はちょっと怖いから…という場合は、ワイキキよりも北側の一方通行のサウスベレタニアストリートをずっと西に進み、途中から入ることができます。

駐車場

こちらの公園はバスも入ることができる管理された観光スポットになっていますので、レンタカーで訪れる場合は駐車料金 (管理料のような感じ)がかかります。

一般人  :1台3ドル
ハワイ住民:無料
利用方法:駐車場に停めたら駐車場の奥にある機械でチケットを発行して、そのレシートがフロントガラスから見えるように、車内に置いておくシステムです。

 

それでは、ヌウアヌパリ展望台のお話もそろそろおしまい。
私がここをこれだけ深く紹介したかった理由は、オアフ島にとってハワイにとってとても意味のある場所だからです。
次に訪れる際はそんな歴史の奥を感じながら訪れてみてくださいね。
古来ハワイアンたちはここからの景色をどのように見ていたのでしょうか?

 

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