メレ カリキマカ!
メリークリスマス!をハワイ語で「メレ カリキマカ (Mele Kalikimaka)」と言います。
クリスマスといえば寒い冬景色にきらびやかなイルミネーションを想像するのではないでしょうか?
でもここはアメリカのハワイ州。Tシャツで過ごせる暖かい常夏のクリスマスです。
そんなアメリカハワイ州のクリスマスと日本のクリスマスの違いを見てみましょう。
アメリカのクリスマス
みなさんはクリスマスと言えばどのようなイメージが浮かびますか?
恋人とロマンティックな夜を過ごす。
みんなでパーティー。
チキンを食べる。
街中イルミネーション。
など、日本人にとってもクリスマスはすっかり習慣・文化の一部として取り入れられるようになりましたよね。
しかし、クリスマス自体宗教行事ですよね?
本場とまではいかないにしても、同じく宗教的なイメージから行われるアメリカのクリスマスも本当に日本と同じような雰囲気なのでしょうか?
そこで、私個人が経験したアメリカのハワイのクリスマスの一部をご紹介します。
ここではいろいろなエピソードとクリスマス当日の過ごし方、そして新年までのお話をしようと思います。
クリスマスイブはクリスマス前日のことではない
日本のクリスマスと言えば、本番は12月24日=クリスマスイブ (イヴ) の方が盛り上がっているような気がしませんか?
では、クリスマスイブの「イブ (EVE)」とはいったい何なのでしょうか?
クリスマスイブとは
それは大昔にさかのぼります。
その昔、時計の概念がまだ発達していなかったころのお話。
一日の始まりから一日の終わりは日の入りから日の入りまでとされていました。現在では時間の概念がありますので0時から23時59分59秒ですよね。
その日の入り、つまり日が没してからクリスマスの一日がはじまるのです。
その時代と現代とで同じ概念を持ってくると、クリスマス自体がどうしても日をまたいでしまいます。
そこで太陽が沈んだ日没後から0時までの前日の夜 (イブニング) のことをクリスマスイブ (Christmas Evening) としているようです。
というわけで、アメリカのクリスマス本番は12月25日になります。
日本はどちらかと言えば12月24日までがクリスマスという商業イベントとして定着しているようです。
アメリカのクリスマスは家族と過ごす
クリスマスの日、アメリカでは家族と過ごすのが一般的です。
ホームアローンのようにクリスマスの時期をテーマにした映画では家族の姿が描かれていますね。
家族との時間を大切にする欧米文化では、仕事もお休み、または早く終わって、夜は家族と共にします。私もハワイではハワイの家族とホームパーティをしました。
クリスマス当日はほとんどのお店が閉まる
日本ではクリスマスと言えば一大商戦の真っただ中。
クリスマスセールやキャンペーンが行われ、多くのサービス業の方々が出勤し、連日がんばって仕事します。
ところがアメリカでは本当に気持ちの良いくらいお店が閉まります。
アメリカでも前日まではクリスマス気分一色で、道を歩けばクリスマスツリーや華やかなリースが飾られています。
ところが、クリスマス当日12月25日になると街の雰囲気は一変します。
チェーン店では通常通り営業するところもありますが、多くは休業日だったり早めにお店が閉まるので、この時期に観光される方はご注意ください。
日本の感覚だと、「どこに行っても閉店では何もできないじゃない?」と思われるかもしれませんが、かつてそれほどの昔ではない日本でもお正月、特に元旦はほとんどのお店やスーパーが閉まっていませんでしたか?
それで困るということもさほどなく、家族みんなでお正月を過ごしていませんでしたか?
アメリカのクリスマスは日本で言うお正月のような雰囲気なのです。
ただ、ハワイでもワイキキは観光地だけあってあまり普段と変わらないほどお店もやっています。しかしアクティビティツアーなどはほとんどがお休みなので、事前にチェックしてみてくださいね。
ハワイの街は静寂、お墓は渋滞
私にとってのハワイの家族とホームパーティ。私はクリスマス前後にこのハワイの家族と過ごしました。
12月25日は昨日までの華やかさが嘘のように街は静かになります。ほとんどのお店が閉まるからですね。
そして車で通るいつもの広大な墓地。クリスマスには墓地の出入り渋滞で車がいっぱい。この辺では毎週のようにお墓参りをする人が多いそうなのですが、たまたま日が重なったとは思えない数でした。
クリスマスにお墓参りというのは日本の感覚では想像がつきませんよね。
でも、墓石にレイの花をかけたりリースで飾る人もいるようです。そこはなんだかほほえましい光景ですね。亡き家族も一緒に過ごすという意味ではとても感慨深いものがあります。
もちろんその人のバックグラウンド (日系、中国系、フィリピン系、ハワイアン系、欧米など)で異なるとは思いますが、ハワイもアメリカなんだなと感じる場面でした。
アメリカのクリスマスの装飾は新年まで続くお祝いイベント
日本からよく聞く情報で「クリスマスの飾りをそのまま飾りっぱなしにしてる」という話を聞いたことがありませんか?
多くの洋楽で「メリークリスマス&ハピニューイヤー」と2つのお祝いの言葉がセットで歌われている歌が多いことに気づきます。これは実際にこの時期にローカルと共に生活してみて初めてわかったことなのですが、これは海外では多くの宗教的なお祝い行事に見られることなのです。
アジア諸国に春節があります。一定期間お祝いしますよね。ほかの宗教でもそうですね。
「クリスマスをお祝いして、そのまま良い新年を迎えましょうね!」
そういう意味合いも込めているのだと思います。決して後片付けが面倒くさいからではありませんよ。
日本ではある1日を特別扱いして区切りをつけるのですが、実は日本もかつては春節期こそが正月として祝われていた時代がありました。明治期以降に現在のような行事に変わっています。
サンクスギビングとクリスマスの関係
日本でもブラックフライデーというセールがメジャーになってきた昨今。それと同時にキャッチコピーでうたわれるのが「サンクスギビング」。
このサンクスギビングとクリスマスがめちゃくちゃになっているのではないでしょうか?
サンクスギビングデーとは
日本では商業イベントのような感じですよね。
サンクスギビングデーは11月第4木曜日。その名の通り感謝祭として定められた日です。現代では日頃お世話になっているものや人に感謝して、こちらもクリスマスと同じように家族で過ごすことが多いですね。
ブラックフライデーとは
サンクスギビングが木曜日。
そのサンクスギビングの次の日の金曜日が「ブラックフライデー」になります。
本場のブラックフライデーは1日限りです。
いわゆる黒字(ブラック)の金曜日というその名の通り。アメリカで一番賑わう商業セール日になります。
これが信じられないほど安く売られている商品もあります。
以前はとある大手スーパーで4Kテレビ40インチほどが200ドルで売られていました。
ターキーを食べるかチキンを食べるか
「クリスマスはチキンだっけ?ターキーだっけ?」と混乱していると、実はどちらもはずれです。
アメリカではサンクスギビングデーに七面鳥 (ターキー)を食べる習慣があります。
ですがクリスマスにチキンというのはありません。クリスマスにチキンを食べるのは日本独特のクリスマス習慣のようです。
アメリカでは子どもに現金ではなくプレゼントを渡す
ここまで違うと文化というか慣習が驚くほど違うことがわかりましたよね。
視点を変えて書き方を変えると次のお話もすごく興味深いかと思います。
クリスマスは日本で言う正月の雰囲気と書きましたが、日本のお正月と言えばお年玉。日本ではお祝いごともお悔やみごともお祈りまでもお金のやり取りですよね。
あまり意識をしていなかったのですが、これが海外からは異様に見えてしまう文化です。
アメリカでは基本的に贈り物やカードを渡します。
例えばクリスマスプレゼント。これこそがホームアローンの世界です。そしてホームパーティでケーキを食べて一家だんらんを楽しむのですね。
どうでしたか?ざっと見ただけで日本とはけっこう違いますよね。
日本では数十年という短い期間に、メディアをはじめ違ったスタイルで浸透している日本式クリスマス。
クリスマスには恋人が一緒にいないと寂しいとか、素敵なレストランでディナーしてイルミネーションを遠くまで見に行くとか、そんなことはありません。
それ以前に仕事だよって?これはもう日本人の宿命です。
もちろんアメリカだって広いですし、多民族、多宗教なので一概に言えません。でも少しだけこのお話を頭の片隅に置いておけば、何か違ったクリスマスの楽しみ方を発見できるかもしれませんね。
文化が違う形で広まること
日本の文化、慣習が勘違いされて海外で浸透していたらどう思いますか?
例えばお盆。
「亡き人たちが復活するといってイルミネーションでギラギラさせ、仮装して街で盛大に騒ぐ…。世間ではお盆セール。」
そんなお盆はイヤだし、本来はそんなのではありませんよね。
これ、日本のハロウィンがまさにそうなのですが、極端な例としてその逆バージョンを書いてみました。
この記事ですらすべてが正しいというわけではありません。さらに誤解を招いてしまうことも多いかと思います。
そういった文化の違いを理解して、この情報社会では多くの情報の中から自分の目で確かめて、異文化を認める意識というものが必要になってきているのではないでしょうか?
とにかく、みなさんが素敵なクリスマスを過ごせますように。
みなさん良いクリスマスをお過ごしください!
MAHALO!
記事公開日:2019年1月21日
記事更新日:2020年11月24日