ALOHA!
今回はハワイで話される特有の言葉「ピジン語」について紹介します。
ピジン語です。みなさんハワイに到着してから帰国するまでに一番よく聞く言語は何ですか?
そう、英語です。でもこのページの内容に沿えば、日本語と言ってもあながち間違ってはいないんですよ。
ではその次によく聞く言語は何ですか?
ハワイ語もよく聞きますよね!ハワイ語は公用語として認められていますが、日常会話で使われるとすれば「Aloha (アロハ)」や「Mahalo (マハロ)」が有名ですね。ではその次によく聞く言葉は何でしょう?
そうですよね!日本語もよく聞きます。
ペラペラっと耳に入ってきた他の人の言葉を聞くのも面白いですね。きっとそれはフィリピン語だったり韓国語だったり、中国語を話す人もいます。
ハワイは多民族の島
ハワイは100以上の島と岩礁で成り立っているのですが、その島はもともと移民によって成りたったものです。
もとをたどればポリネシアやマイクロネシア (ミクロネシア)からの移民からはじまります。ハワイ語を主とする人たちは主にこのような系統を受け継いだ人たちとなります。
しかし現在、純粋なハワイアンの血を引く人たちの割合は急速に減ってきてしまっています。今回の話はハワイの移民の歴史とは切っても切り離せないお話です。
移民の歴史と日系人の割合
現代ハワイの移民の歴史の原点は実は中国人から始まります。
中国人から始まり、ポルトガル人や韓国人がやってきます。その後日本人やフィリピン人といった労働者としての移民が移住してきました。
移民の割合は?
環太平洋・アジア系が多く人口比では約40%も占めます。
白人(ヒスパニック含む)が約30%。
アメリカの州の中では最もアジア系の人の割合が多い州なんですよ。もちろん日本もアジア系です。
もっと細かいくくりでは、全体の中でフィリピン系移民が最も多いです。次に日系人となります。
ルーツはさまざま
アメリカやヨーロッパに限らずの話ですが、移民といってもそれぞれのバックグラウンド (ルーツ)はさまざまです。
例えばニュースで「日系何世の〇〇が活躍した。」と脚光を浴びた人がいるとします。しかしその人の親の片方が日本人であっても配偶者が中国系移民だとしたら、同時に中国系の人ともいうことができます。その中国系の親のさらに親がイギリスの出身だったりしたらもうわけがわかりません。
親や祖父母などがゲルマン系とハワイアン系、その親がアジア系とアフリカ系などという話は実によくあることで、ハワイは人種のるつぼです。
ハワイなまりの英語?
ハワイで暮らしはじめて数カ月・・・ふとあることに気付きました。
レジで何度か言ったことを聞き直している英語圏の人がいる
これはもうハワイ独特のイントネーションや発音、なまりなどがあるということですね。
本土では通じない言い方もあります。
もちろん日本でも東京=標準語としているので、東京から離れると独特の方言がありますよね。ハワイ州は本土から飛行機で5時間以上かかるほど遠いのでなおさらです。
移民もアジア系が多いためフィリピン英語やジャパニングリッシュ、チャイナ英語が飛び交っています。
でもこれ以外に面白いことに気付き始めました。
語尾に「ya?」をつける人が多い
「何ですか、ヤ?って。」
ya (ヤ)?というのは「だよね」「ですよね」「じゃない?」のようなニュアンスで使われています。
ピジン語とは
さて前置きが長くなりましたがようやく本題です。上で書いた「ヤ?」はハワイ独特の言い方です。英語でもなければ日本語でもない自然と生まれた意思疎通の言葉。
これはピジン語というくくりとは言えないのですが、この流れでいくとピジン語というものがどういうものか想像つきますよね。
ピジン語とはさまざまな国の人たちが言葉を交わして、お互いの意思疎通から生まれた独自の口語のようなものです。
文法が単純でボキャブラリーも少ないので誰でも自然と使えるのが興味深いです。
すごく簡単に言うと、移民同士で作った隠語とか話ことばですね。日本で例えると若者言葉のようなイメージです。
さまざまな移民で成り立つハワイでは、激動の歴史の中、純粋な英語圏の人にはわからないような英語で会話してその場をやり過ごすことも多かったようです。
・例えば日本人がエアコンとかベントーと言っても当たり前に通じる、ある国の言葉の言い方がメジャーに通じるパターン。
・例えばドンブロと言って何事何語が掛け合わさったのか?
「Don’t」「風呂」が掛け合わさって、風呂入るな、とかね。(例えばの話です。)
もちろんハワイ語と英語の掛け合わせもあります。
Mahalo for your Kokua.
そうです。Kokua (コクア)はハワイ語で協力とか感謝、助け合いという意味です。
英語の文法に単純にコクアを混ぜて、「ご協力ありがとうございます。」という感じ。
もうひとつ、発音の話をするとハワイピジンイングリッシュと呼ばれる独特の発音があります。
ハワイでは「The (ザ)」を「Da (ダ)」と発音することが多いです。
ハワイで「Da ~」というのは実は「The ~」と同じ意味なのです。
何か思いつくものありませんか?
それとハワイではトゥリーという方も多い気がしましたが、このトゥリーはTreeではなく「数字の3」のThreeでした。それを言ってしまうと日本におけるカタカナ英語はもっとすごいことになりますけれどね。
そんなハワイのことばから見る歴史文化の面白さを探ってみるのも良いかもしれませんね。