ハワイの歌

ハワイの歌「アロハオエ(Aloha Oe)」は愛に満ちた別れの歌その意味とは

ALOHA。

みなさんは、ハワイの歌と聞いて一番最初に思い浮かべる曲は何ですか?
私はハワイの音楽と言えば一番最初に曲の雰囲気が心に残った歌がこのアロハ オエ(Aloha Oe)です。ハワイを代表する曲としても広く親しまれています。

アロ~ハ~おえ~♪アロ~ハ~おぇ~♪
と誰しも口ずさむことができるフレーズは、日本でハワイを紹介するテレビでもよく流れます。ハワイっぽい美しく流れるやわらかな曲調にアロハのセリフ。意味は分からなくても、きれいな曲だなぁという印象を抱いたのは私だけではないはず。
結婚式のイメージとして流す方もいるかもしれませんね。

ではこのアロハ オエにはどのような意味が隠されているのでしょうか?
今回はそんな歌の秘密に迫ってみたいと思います。

結論をざっくり言うとこの曲は「別れ」の歌です。

なぜこのような別れの歌がこんなにも美しく響き、そして日本では愛や楽しさの象徴として使われるのでしょうか?

Aloha Oe

曲名:アロハ オエ
作詞:Queen Lili’uokalani (リリウオカラニ女王)

この曲はハワイ王国8代目、最後の女王「リリウオカラニ」によって作られた歌です。
リリウオカラニは生涯を通じて数々の曲を作り、ハワイアンキルトを世に示した人物です。

時代背景

時代はハワイ王国の終焉を迎える頃。
豪華という言葉が似合う兄のカラカウア王時代の終わりころ、西欧人がハワイ各地で行うサトウキビ産業を中心とした王国の経済界が、アメリカへの併合を模索するようになり、ハワイ王権を揺るがす時期です。
つまり、ハワイがアメリカや西欧との歩みを模索していて混乱気味な時代です。

アロハオエの歌の背景と説

アロハオエができた理由や背景、意味には2つの説があります。

終わりを迎える愛するハワイを想う説

時は経てハワイ王国終焉の2年後の1895年、リリウオカラニ女王はアメリカをもとに築き上げられるハワイ共和国への反逆の容疑をかけられ、イオラニ宮殿の2階の一間に8ヶ月間も幽閉されることになりました。
女王は捕虜となった約200人ほどの市民の命を助けるために、自分の王という座を引き換えに取引をしたともいわれています。

このアロハオエの詞は、この幽閉されていた時にハワイ国王の終わりと自身の想いから作られたものだと言われています。

リリウオカラニは、ハワイの終わりを感じながら宮殿の部屋でキルトを編み、一室から外を見つめていました。愛するハワイを想う女王の言葉がこの歌には綴られているという説です。

妹と西欧人の男性の別れを描いた説

もう一つの説は1878年、ハワイ王国終焉よりもずっと前の出来事です。
まだ若かったリリウオカラニ王女が、オアフ島東部のマウナヴィリ (カイルアとヌウアヌパリの真ん中あたり) の牧場で、妹のリケリケ王女と西欧人の軍人が別れを惜しんでいる光景を想って書いた詩という説があります。(歴史家のラヒラヒ ウェッブによる説)
つまり、こちらは2人の男女の別れを歌っている説です。

別れと愛の歌

どちらの説にしてもリリウオカラニの心情や優しさがあふれ、歌の中で愛情に満ちた想いと現実 (別れ) の運命を描いた歌だということが伝わりますね。

リリウオカラニ像とアロハオエの紙

ハワイ州立議事堂の前には、幽閉され、耐えきれぬ思いをしたイオラニ宮殿に背を向けたリリウオカラニ女王の像があります。

リリウオカラニ像とカメハメハ像

この像の位置からはカメハメハ像も奥に見えます。リリウオカラニ女王の目の先にはエターナル フレーム メモリアルと墓地があります。
このリリウオカラニ像は見る角度によって違った表情をしています。誇らしい顔、哀しい顔、その思いが手の中にも包まれていることをご存じでしょうか。

リリウオカラニ女王の像を近くから見てみてください。
左手はアロハオエの歌詞が綴られた紙を持っています。

リリウオカラニ像とアロハオエ

アロハオエの歌詞と日本語訳

それでは実際の歌詞を見てみましょう。

オエ (Oe)は、ハワイ語で「あなた」という意味です。

アロハ (Aloha) には、「こんにちは・さようなら・愛情」などさまざまな意味がありますので、その意味も両方書きます。そのメッセージを感じてみてください。

Ha`aheo ka ua i nā pali
Ke nihi a`ela i ka nahele
E hahai (uhai) ana paha i ka liko
Pua `āhihi lehua o uka

Aloha `oe, aloha `oe
E ke onaona noho i ka lipo
One fond embrace, a ho`i a`e au
Until we meet again

`O ka hali`a aloha i hiki mai
Ke hone ae nei i ku `u manawa
`O `oe nō ka`u ipo aloha
A loko e hana nei

Maopopo ku`u `ike i ka nani
Nā pua rose o Maunawili
I laila hia`ia nā manu
Miki`ala i ka nani o ka lipo

Aloha `oe, aloha `oe
E ke onaona noho i ka lipo
One fond embrace, a ho`i a`e au
Until we meet again.

こちらを日本語訳してみました。
ちなみに

優しく奏ずる はゆかしウクレレよ ハワイの波 しずか夢をのせて揺るる

で始まる日本語訳のアロハオエは、原曲の詩を日本語に訳さずに作り上げられているため、その内容は大きく異なっています。

こちらでは原曲の詩の一部を日本語訳しています。
ただ、公式ではありませんので雰囲気だけ感じていただれば幸いです。

日本語訳の抜粋:

谷に降り注ぐ大粒の雨
森の中を流れゆく
まだ咲かぬつぼみリコ (ハワイの植物) を探しているかのよう
山あいに咲くレフアの花よ

さようなら あなた さようなら 愛する人
(あなたが愛されますように 愛をあなたに)
(あなたにアロハを あなたにアロハを)

木陰にたたずむ愛しい人よ
私が去る前にもう一度あなたを抱きしめて
また会えるその時まで

歌詞を読んでみると激しい天候の中にある愛する想いが描かれています。
この天候は現実の厳しさでしょうか、愛情はリリウオカラニの愛する人々やハワイ、妹、すべてにあてたものでしょうか。

リリウオカラニ女王の想うアロハオエを、あなた自身が感じてみてください。

最後までお付き合いしていただき、ありがとうございました。

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